テラフォーマーズ ネタバレ感想

(115)DIE ANOTHER DAY 生きるべき日

結論から言うと、今回は終始ポエムのみで戦局は変化していない。

特に読まなくてもストーリーについていけなくなる恐れはないだろう…。

戦いの狼煙

脱出機の上、震えながらアレックスを介抱する八重子は不意に煙を上げた火山を見て、マイマイカブリ型テラフォーマーのことを思い出していた。

あの時、膝丸燈を見たマイマイカブリは狼煙をあげて味方に合図を出した。この火山もそれと同じルール…すなわち「燈を見つけた」ことで発せられた信号なのではないか?

上空ではその噴煙を目印に接近してきた中国所属の航宙艦「九頭龍」が燈を発見する。彼らは膝丸燈を必ず生きて連れ帰るよう厳命されているらしく、死体でもやむを得ないと判断した劉将軍とは一線を画する。

ということは、彼ら中国軍としてはこのまま燈たちを乗せた脱出機がテラフォーマーの黒じゅうたんに飲み込まれてしまうのは都合が悪い。皮肉にも九頭龍とそこにいる中国軍の将軍たちがこの窮状を覆す救い手となる可能性が出てきた。凱将軍は「マーカー」をつける準備をするよう命を下す。九頭龍の自動砲撃に燈を巻き込まないため識別信号でも撃ちこむのだろうか?

地上では脱出機に全方位から押し寄せる黒い波。立ち上がり戦えるのは燈ただ一人。ミッシェルは脱水症状で立てず戦意喪失、アレックスは気絶、八重子は体臭以外の攻撃能力なし。仮に彼らが全員万全な状態だったとしても、この物量の差を覆すことは困難に思える。彼らの戦闘能力は普通の人間のそれとは比べ物にならないほど高いが、つまるところは「喧嘩が超強い人」程度にすぎない(八重子に至っては「体臭が超キツい人」だ)。1対1では殴り勝ててもそれだけで棒倒し競技に勝てるわけではない。別の作品では範馬勇次郎や陀大膳黒のように1個体で軍隊を皆殺しにしてしまうような猛者もいるが、死や痛みを全く恐れない人間大のゴキブリが全速力かつ大群で覆いかぶさってきたら、単純にその質量を捌くことができないだろう。最初の数匹を殴り飛ばしたあとはなし崩しに押し倒されてしまうのではないか? この状況を打破するには紅(ホン)の細菌兵器、ミサイル車輌や九頭龍の火力による殲滅といった、ひとつ上の単位での戦術が必要だ。

群がるテラフォーマーたちを忍者刀一本で斬って斬って斬りまくる燈。やがて膝をつき、血反吐を吐き、ダメージは蓄積していく。それでも叫び立ち上がる姿は美しいが、いずれ限界が来るのはわかりきっていた…。

小町小吉

「…生きてくれよ」

別離とも思える言葉を口にし、火星の大地に両の足で立つ小町小吉。正面にはまたも黒絨毯。こちらはこちらで新型の個体を含むテラフォーマーの大群に阻まれ、ミッシェルたちとの合流地点へ向かうことができなかったのか。マルコスらを逃がし殿軍として一人残ったようにも見える。

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達観したような静かな背中が、カイコガ型の個体を前にした時を思い起こさせる。彼もまた壮絶な過去を背負い、ずっと罪悪感や無力感に囚われて生きてきた男だ。バグズ2号のデイヴス艦長がそうしたように、隊員を生かすために自らが犠牲的ヒーローとなるつもりなのだろうか?

つづく

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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