テラフォーマーズ ネタバレ感想

(118)WHERE IS YOUR HEART 魂の在り処

膝丸燈を捕獲するために九頭龍から打ち込まれた兵器。反射的にかばうミッシェル。そしてそれはミッシェルの胸を貫き…。

述懐

ミッシェルは燈と初めて出会った地下闘技場のことを思い出していた。そして共に戦ううち、燈を死なせたくないと強く感じるようになった…彼女はそう振り返る。

横たわるミッシェルが慈しむように燈の頬に触れていた手からふっと力が抜け、軽い音を立てて火星の地面へと吸い込まれた。

燈が呼んでも揺すってもミッシェルは応えない。「逃げろ燈 走れ 地球にお前は 還-」それが彼女の最期の言葉。

目の前の光景に現実感が持てない燈。その周囲に九頭龍から中国兵が少なくとも6名降下し、頭上に控える凱将軍へ状況を報告する。

ミッシェルの胸に突き刺さったままの蛇绕(シュアラオ)を使い、彼女の遺体を回収せよと命じる凱。浮かび上がろうとする蛇绕のワイヤーを、何かが一刀に切り裂いた。

禍々しい殺気を放ち、咆哮とも嗚咽ともつかぬ叫びと共に、「それ」は目の前の中国兵の体とはるか上空に鎮座する機械仕掛けの神の腕すらも切断する。

凱「ついに出したか…!!」

爆「回収させて(かえして)貰おう-」

凱「”母親から受け継いだ方の能力”!!!」

覚醒

本作に残された謎のひとつが、燈の隠された特性である。

彼は本多博士のテストケースとして造られたため先天的にMO(免疫許容臓)を持っており、火星行きの調整を受ける前の時点でバケモノと呼ばれるような再生力と素手で熊を屠る戦闘能力を備えていた。そこには何らかの生物をベースとした特性が備わっているはずだが、これまでの火星での戦いにおいて燈はあくまでU-NASAから手術で与えられたオオミノガの糸の能力と専用武器である忍者刀を使用しており、もう一つの能力については伏せられていた。

今回、ミッシェルを目の前で殺された彼の悲嘆は火星の大気を文字通り引き裂く。その姿はカマキリのようにも見えるが…?

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凱や爆は燈の出生について何かを知っているようだ。爆が「かえして貰おう」と言っていることから、本多博士が中国から持ち逃げしたサンプル由来か。また凱は「母親から受け継いだ方の能力」と語気を強める。

場面変わって、膝をつく小町。手術前の燈のカルテを見ながら涙を流している。

秋田菜々緒の遺書の「私を見殺しにした母親の血を引いた子が真っ当な人間に育つかどうか…」というくだりに触れ、そんなことはなかったとつぶやく。「お前の子供な…すごく…良いヤツだったよ…アキちゃん」

この辺り、一読しただけではよく意味がわからない。

秋田菜々緒は未婚で、20年前に火星で死亡した。享年22。小町は燈を指してアキちゃん(秋田菜々緒)の子だと言う。燈は20歳なので、言葉通りに燈が菜々緒の子だとすると彼女は22歳の時に出産していることになる。火星行きの直前だ。だが彼女はMO手術を受ける前に「子を持とうとは思えない」と遺書に綴っている。彼女は義父から性的虐待を受けていたのでその結果妊娠したという可能性もあるが、そうすると燈の年齢が合わない。

では燈が普通妊娠・普通分娩で生まれた子ではない、とするならばどうだろう。小町は蛭間七星から渡された燈の資料を見て泣いていることから、そこに秋田菜々緒との関連が読み取れたはずだ。秋田菜々緒から提供された卵子を使って人工授精した子、という可能性はないだろうか。

だがそうすると、「母親から受け継いだ能力」が菜々緒のベースであったカイコガになるため今回のような切断系の特性ではつじつまが合わず、また爆の発言の意味が分からない。中国でカマキリというと劉翊武の幼馴染(この作品は幼馴染の話がとにかく多い)であった張明明(バグズ2号の副艦長)のことが思い起こされるが、だとするとアキちゃんとは関係ない。

最近のテラフォーマーズはレトリックに凝りすぎてすんなり腑に落ちない場面がたびたびある。今回もこれ以上考えるには材料が足りないので、素直に来週を待つことにする。

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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