テラフォーマーズ ネタバレ感想

(123)CHASER 追跡者

共通の敵・九頭龍の出現により争いをやめた劉とジョセフに助けられ、あれだけカッコつけて出て行った割には普通に生き残った小町。薬の過剰投与もなんのその、いつのまにか人間に戻っている。ティンとは一体なんだったのか…。

一方、膝丸燈はミノムシの糸&カマキリの刃で縫合糸を作り、ミッシェルへの外科処置を終えていた。敗れた肺を修復し出血も止めたが、彼女が蘇生する様子はない。心停止からすでに3分…このままでは仮に息を吹き返したとしても脳にダメージが…。ミッシェルはゲンゴロウとの水中戦の時も酸欠で似たような状況に陥っていたような記憶がある。酸欠にかけてはベテランだ。

安い死と生

ここまでページを割いて「やっぱダメでしたw 普通に考えて生き返るわけねーわwww」となるはずがないので、読み味としては完全に消化試合。はいはい、どうせ生き返るんでしょ、よかったね早くしろよオイという感想しか持てない。最後の決め手はまたもエヴァ。電気を使ってAEDの如く除細動を行い心機能を復活させようというのだ。もう何でもあり!

私見だが、漫画において死んだ者が都合よく生き返るという展開ほど興ざめするものはない。とりあえず山場を作るために人気キャラを殺し、盛り上がった所でまた蘇生させて使いまわす。必然性のない死を見ると作者の引き出しの底が露呈したような気がして残念に思う。

テラフォーマーズが人気を博した一因として、初期の「わりと重要そうなキャラがあっさり死ぬ」という展開にあった誘引力、いわば残酷なもの見たさがあったことは否定できない。進撃の巨人やGANTZ、アカメが斬る!というように相似した事例も多くある。重要人物は怪我を負っても死なないというのが漫画のお約束であるならば、そこに読者は安心感を得る一方で緊張感のなさが出来レース的な意味合いを持ち退屈に感じられることは多い。そのお約束を破った途端、作品全体に死の緊張が伴い、次のページではまさかあのキャラが死ぬのではないか? というスリルを味わうことができるわけだ。その意外性の虜になる読者は私を含めて少なくないだろう。

本作(第二部)で言うならば、最も意外だったのはアドルフの死である。ランキング2位であり、電気を応用した能力で一時は無敵に近い戦闘力を発揮したが、投石という非常に原始的な攻撃によってあえなく敗退。そして壮絶な自爆。まさか火星到着初日にこうなるとは、読者もU-NASA関係者も予想しなかっただろう。筆者はこれを「序列の低いものから死ぬわけではない、幹部だからと言ってテラフォーマーとの戦いで特別扱いはしない」という、作者からのメッセージだと受け取った。

が、作品に漂う緊張感はそこから急速に弛緩していく。最初は鎧袖一触でバラバラに引き裂かれていた人間たちが、テラフォーマーの能力持ち個体とベタ足で殴り合いをするようになる。切断した手足や大きな傷もすぐに再生するようになる。エヴァは心臓ひとつから全身を修復した。そしてミッシェルも今まさに蘇生しようとしている…。

忘れていたあの2人

愚痴はこの辺にして、話を戻そう。

エヴァがミッシェルに電気ショックを施して蘇生を試みていたまさにその時、空を切って「何か」が彼女を襲った。衝撃で吹き飛ばされるエヴァ。糸でとっさに繋ぎ止め脱出機からの転落を阻止する燈。

振り返ったその目に映る人影は、中国班のジェット、そしてドルジバーキ。劉や爆が乗った車両に合流するといってアネックスを飛び出した後は消息不明だったが、ここにきて最悪のタイミングで襲来。先ほどエヴァを撃ったのはジェットが持つニシキテッポウエビの能力か。

ジェットはドルジとの連携プレイで燈の忍者刀を奪い取ると、脱出機の上で前後からの挟み撃ち隊形を採る。脱出機の上には横たわるミッシェルとアレックス、驚異の再生能力を持ち斬っても斬っても(多分)死なないエヴァ、そしてすごく臭い八重子。ドルジの手術ベースは忘れたが鼻が利くはずなので、まずは八重子の体臭でノックアウトできるはずだ。頑張れ八重子!

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今まさに命がけの攻防が始まらんとする脱出機。

一方、アシモフらが乗った車両の上で捕虜となった西(シイ)が目を覚ました。

「やって貰うことがある(性的な意味で)」

アシモフの鋭い眼光が西を射抜く。思わず身をこわばらせる西。果たしてアシモフの要求とは!? つづく

※( )内は筆者の解釈です。作中にこのような表現はありません 

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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