テラフォーマーズ ネタバレ感想

(126)TOO EMPTY TOO LIVE TOO YOUNG TOO KILL 2つの命

膝丸燈VSジェット、エヴァVSドルヂバーキ。脱出機の車上、2組の勝負はいずれも中国班の勝利で終わろうとしていた…。

まあそれで終わるわけがないので、正直言ってやや退屈な展開ではある。ジャンプ漫画の方程式に則り「危機→回想→覚醒」となることが想定されるからだ。

もちろん、王道の展開がつまらないわけではない。奇をてらって作者の精神世界へ迷い込んでしまう芸術性の高そうな作品や説教臭い作品も多々あるが、漫画は大前提として娯楽商品、エンターテイメントだ。ハリウッドのアクション大作にしても、特に変わった内容ではなくともCGにかけた制作費だけで話題になり、最後はお決まりのステイツ最高! で終わるにも関わらずジャンルとして滅びない。それは観客に普遍的な需要があるということなのだろう。

筆者は漫画が割と好きで、本業とは特に関係ないが趣味として月に30冊ほど新刊のコミックスを買うし、中古で全巻一気買いもちょくちょくしている。ちなみに最近の注目作は「ゴールデンカムイ(野田サトル)」だ。テラフォーマーズと同じくヤングジャンプに載っている。隠された金塊のミステリーとそれを狙う者達の狂気、と思いきや珍しいアイヌ料理の実食シーンやコミカルな場面がいい塩梅で息抜きとなり退屈しない。脱獄した24人の囚人たちという大きな設定をどう描くのか楽しみにしている。01/19に1巻が出たばかりだ。

話が逸れた。筆者はベタな少年漫画に見られる「才能・覚醒・勝利」展開自体は好きだが、最近のテラフォーマーズは乱用気味でひとつひとつの山場に熱量が足りないと感じている。登場人物が多すぎるせいで、場面がブツ切りにコロコロ転換し読み手の感情がリセットされてしまうからではないか。そして唐突に過去の回想が入り、それぞれの想いを叫んで力を振り絞って激突、決着のパターン。そして今回も膝丸燈の回想である。

燈と忍者刀・膝丸

まだ燈が火星に向け地球を離れる前のことだ。蛭間七星はとある用件で応接室に燈を呼び出した。

話の中身は燈の実の両親のこと。U-NASAでは調べはついており、燈が希望するならその情報を開示する。その意思確認だった。

燈はそれを知るべき時は今ではないと笑顔で拒否、任務完了後に考えると返答する。七星は承諾し、専用武器である忍者刀・膝丸を燈へ託す。

膝丸の特殊能力は12種類あるらしいが、そのうちの1つについて解説がなされる。

忍者刀・膝丸は自ら超音波を発し、燈の手術ベースであるオオミノガがそれを反射する時の波長を感知して起動する。つまり燈からのシグナルがない場合は性能を発揮しない。

というわけでジェットが燈の首筋に斬りかかっても起動状態にない膝丸はナマクラの包丁と同じで、燈の頭部を切断するにはまったく及ばない…ということらしい。

確かにランカー上位の専用武器はテラフォーマーに強奪・回収された場合を想定し、能力との噛み合わせがないと活用できない仕組みになっているのが前提だ。

アドルフの電撃手裏剣、ミッシェルの加速装置、加奈子のエアロパーツなどを思い出して欲しい。仮に回収されてもテラフォーマーではそれを活かせない。だが膝丸がもし普通の刃物として十分な切れ味を持っていたらテラフォーマーでも簡単に使えてしまう。それでは携行条件に合致しないのだ。

ジェットが渾身の力を込めて首を横に薙いだ忍者刀は、主である燈を絶命せしめることなく表皮で留まる。ジェットが目を見張った次の瞬間には、燈はその両腕を大鎌に変態させジェットの両脚を切断していた…。

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ハナカマキリ

第二の能力・張明明から受け継いだ「ハナカマキリ」に覚醒した燈。今回でようやく能力の出自が明言された。

空中戦艦をも斬って捨てる驚異の斬撃を前にジェットはなすすべもなく防戦。最後に繰り出したキャビテーションも届かず、衝撃波ごと袈裟懸けに斬られ脱出機から転落。明確な死の描写はないが、生きているにせよ相当な深手だ。ひとまず決着。

自分の力だけでは勝てなかった。自分に2組の親がいることに改めて感謝を述べ、呼吸を整えた燈が見やった方向にはエヴァをボコボコにした荒ぶるドルヂバーキが待ち構えていた。

つづく

 

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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