テラフォーマーズ ネタバレ感想

(127)BOERTE CHINUA 蒼白の狼

ジェットを袈裟懸けに斬り捨て脱出機から叩き落とした燈だが、エヴァをボコボコにしたドルヂバーキとの連戦に耐えうる体力はもはや残っていなかった。

車上の決戦は今大詰めを迎えようとしている。

灰色狼

対峙する燈とドルヂバーキ。勝負は一瞬だと燈は覚悟を決め、制空圏に入った瞬間の居合いに全てを賭ける。

だが、敵が間合いに入ったことを感知する暇すら与えられず、次のコマですでに密着を許してしまっていた。

ここでバーキの能力がハイイロオオカミであると明らかになる。本人がゴリラっぽい容姿なのでイヌの印象はなかったが、鼻の効く動物の代名詞といえばやはりイヌの仲間だろう。

能力についての説明パートを挟み、彼らがニオイで世界を「視認」しているイメージを読者に持たせている。

我々が高いところに登って遠くまで見渡すと、ずっと向こうで煙が上がっているのが見える。それで何かが燃えていると分かり方角やおおよその距離を判断できるのだが、イヌの場合はそれと同じことを目でなく鼻で判断することができるというわけだ。

で、その嗅覚をプロの軍人が対人格闘に応用するとどうなるか。筋肉が発する乳酸の臭いで相手の眼球運動が把握できるらしい。だから動きが読め、敵を圧倒できるという理屈。よく漫画で見かける「盲人の剣客が超聴覚で相手の動きを鋭敏に察知する」能力がさらに進歩したものだと考えればいいだろう。

なすすべもなくラッシュに沈んだ燈。容赦なくトドメを浴びせようとするバーキの前に、八重子が身を挺して割り込みクスリを使う。

バーキはその意図を察し、親切にも忠告する。臭気でダメージを与えることはできないと。

シマスカンク

八重子の能力はシマスカンク。テラフォーマーの群れが進むのをためらうほどのニオイを発する。イヌのような嗅覚に優れた動物なら気絶させられるのでは? と考えるのは自然な流れだが、バーキもそんなことは承知している。

イヌは人間の1億倍の嗅覚を持つと言われるが、1億倍の強さでニオイを感じているわけではないらしい。バーキも決して無駄な争いを望んでいるわけではなく言葉で解決できるならそうしたいが、八重子も黙って仲間を見殺しにはできない。イチかバチか、やってみなきゃわかんないと意を決して分泌液を尻から飛ばす八重子。ちょっと待って、これどっから出してんの…?

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この時のドルヂバーキの視界を想像すると色々大変なことになってしまう…。ちなみにwikipediaによると、スカンクは肛門傍洞腺(肛門嚢)から液体を飛ばすらしい。

 

それはともかく、せっかく放った分泌液も手で軽く払われてしまった八重子。万事休すかと思われたが、このアクションの裏で燈はこっそり糸を紡いでいた。

その糸はドルヂバーキの鼻に向かっており、八重子の分泌液は糸を伝ってダイレクトに鼻の粘膜へ…

くさやの16,000倍とされるニオイの源、有害成分「ブチルメルカプタン」が直接ドルヂバーキの嗅覚細胞を破壊する。顔を手で覆い絶叫しながら車上を転げまわるドルヂバーキ。

その背後にユラリと立ち上がるエヴァ=フロスト。彼女が放った電撃を起点に、スカンク由来の引火性ガスが大爆発を起こす。ギャグ漫画かな? といった表現でドルヂバーキの巨体が軽やかに宙を舞い、脱出機のはるか後方へ墜落。

「まったく…失礼なヤツだったわ」

安堵する八重子の足元で昏倒し白目をむいている燈。これは戦いによる疲労のためなのか、それとも八重子のニオイにやられて失神したのか…。

つづく

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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