テラフォーマーズ ネタバレ感想

(129)TERRA FOR MARS 誰が為に

実写映画化決定! 監督は三池崇史! の文字が踊る巻頭カラーで始まった今号のテラフォーマーズ。

アニメにゲームに実写映画にと、お決まりのメディアミックス展開だがアニメはもう少し丁寧に作れなかったのだろうか…。

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風雲急

今号は場面が一貫しておらず、各人物のそれぞれ現況が数ページずつ散発的に描写されている。少々面白みにかけるが箇条書きにして整理しよう。

  • 地球では各国首脳がホットラインを耳にするなり緊迫した表情。地球で何かが起こっている。
  • フロンティアスピリットと名乗る航宙艦から通信。火星に残存する戦力を地球へ連れ帰るとのこと。
  • アシモフ宛に「母子ともに無事」との通信あり。それを聞いてアシモフは「お前ら! 頼むぜ」と遺言めいた言葉を口にする。
  • 剴将軍は能力でプログラムしたテラフォーマーゾンビを用いて燈を捕縛、九頭龍へ収監済み。燈は警備兵の耳を噛みちぎって抵抗。
  • 小町・ジョセフ・劉はバグズ1号が痕跡だけ残し綺麗に消失しているのを発見。
  • 小銃を組み立てマガジンに弾を込めるテラフォーマー。水中から、空中から姿を現す新たな能力持ちの個体。布を身にまとった次世代のボス個体。

そして…。

荒れ果て、すでに放棄されたと思しき遊園地。看板には「熊と魔法の国」とある。その向こうには市街地。

高台からそれを見下ろすテラフォーマーのボス。布を袈裟のように纏い、さながら古代ギリシャの哲学者のようだ。

その背後にはさらなるテラフォーマーの群れ。それもこれまで火星で人類が打ち倒してきたのと同じ「能力持ち」が多数。

脈絡もなく地球に降り立ったテラフォーマー14人衆! これからどれほどの惨劇が繰り広げられるのか…!?

つづく。

状況は一変

死んだはずの敵が復活! のように見えるがおそらく同種の能力持ちが何体もいるのだろう。人類側はキャラ付けの都合で全員が異なる能力を持っているけれど、テラフォーマーなら同じ能力持ちが複数いても問題ない。人類から奪った「部品」さえあればいくらでも複製できるのだろう。遺体を元にどうやって能力をコピーしているのかはさっぱりわからないが…。それも洞窟で松明を頼りにメス一本でだ。

ま、この漫画は深く考えたら負け。キン肉マンのようにそういう「ジャンル」、我々の世界とは異なる物理法則で支配されている時空だと割りきって楽しむほうが精神衛生的によい。

 

というわけで地球に攻めてきたテラフォーマーである。

一般市民が銃で武装した程度ではスピードからして相手にならない。九頭龍のように上空から一方的に大火力で爆撃、核兵器などでまとめて蒸発させるしか人類が効率的に彼らを駆除する方法はないと思われる。装甲車程度では豆鉄砲と同義だろう。

人類の居住空間にバラバラに入り込まれたら各個撃破は困難で、その間にも彼らは営巣してどんどん増える。最近はインフレして能力持ち以外は目立った活躍がないが、バグズ2号までの時代はそこらにウロウロしているモブフォーマーが主戦力だった。ミッシェルの父ドナテロ・デイヴスも、普通のテラフォーマーに取り囲まれて苦戦した。さらに情けないのは足手まといは迷惑だとドヤ顔で出て行った割にモブフォーマー1匹に瞬殺され首だけになって帰還したゴッド・リーであろうか。能力持ちでなくても彼らは十分脅威である。

今回死亡フラグが新たに屹立したのはアシモフ。彼が火星に来たのはAEウイルスの抗体を作り妊娠している娘を救うためだった。娘婿のアレキサンダー先輩は8巻の後半あたりで「死んでもワクチンを作る!」と見得を切って中国班に戦いを挑むも、精鋭の軍人とは思えぬ中途半端な優しさを捨てられずに死んだ。ワクチンなしでも母子とも健康ならアレキサンダーは何のために生命を投げ打ったのか? そして無事生まれはしたが先天的にAEウイルスに侵されてはいないのか? 娘の予後は? とまだまだシリアスな問題は残っているはずだが、そんなことはすっかり忘れて「思い残すことはない」と感涙にむせぶアシモフ。大丈夫かこのオッサン…? 

 

さて、火星を脱出してストーリーを一区切りつけ、グチャグチャになった舞台を一旦幕にして収拾を図るのかと思いきや。事態はさらに混迷を極めていく。正直今の路線のままではこれ以上のワクワク感や大きなカタルシスが得られるとは考えにくい。なぜなら今のこの作品には明確なゴールが見えないからだ。

そもそもこの物語のゴールはなんだろう? 一話完結のギャグマンガでなくストーリーものであれば、主人公には明確な目標とそれを阻む障害がなければならない。障害はたくさん描かれているが、肝心のゴールは「ワクチンを作りAEウイルスから春風桜人が救われること」だったか? それがいつの間にか「裏切り者とテラフォーマーをなんとか撃退して生きて地球に帰ること」に変更され、そしてまた「地球に攻めてきたゴキブリから母なる大地を守る」へと変わっていきそうな雰囲気。仮にそのまま物語を進めて「地球に降りたテラフォーマーは全部倒しました、そっから抗体も作りました、よかったね」という結末を迎えたとして、それでカタルシスを得られるか? 

今後、これまでのとっちらかった感を覆し大きな目的に向けて物語が収束していく、そのための大きな仕掛けが待っていることを期待したい。

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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