テラフォーマーズ ネタバレ感想

(13)THE GHOST AREA 空白の領域

テラフォーマーによって誘拐された人間はどこかの施設で飼育され、実験台として使われている・・・。

捕獲したテラフォーマーの脳派分析から情報を得た一警護の面々はその施設を奪取しようと意気込む。しかし肝心の所在地は不明。情報を握っているのは地下事情に通じるモグラ族・斉藤翔だった。

祈る者

翔が地下で生き抜くために力を欲し、自ら金を積んでMO手術を受けた時のこと。船で2日ほど走った場所で、中国語を話す医師によって手術を施されたらしい。その時にブローカーに連れて行かれた施設の様子と、先ほどのテラフォーマーの施設が似ていると翔は言う。

翔に施された非公認のMO手術が中国軍の技術横流しによるものだと考えるなら、闇のMO手術が行われている施設とテラフォーマーの施設は地理的にかなり近いところにあるはず…と作中では語られているが、これは果たして論理が通っているだろうか?

論拠①「研究所の雰囲気が過去に翔が手術を受けた場所と似ている」
論拠②「翔の手術を仲介したブローカーの正体は中国軍関係者だった」
論拠③「ブローカーは東京・中国軍施設・闇の手術場を行き来していたはずだ」
→結論「ゆえに、手術場とテラフォーマーの人間飼育施設は近い場所に存在している」

写っていたテラフォーマーはアリタケで支配されたゾンビゴキブリではなかったので、それを中国軍と結びつける線がよく分からない。腑に落ちない気がするのだが、おそらく筆者の読解力が足りていないのだろう。ひとまず忘れて先に進むことにする。

映像に写っていたリーダー個体の話を聞いた蛭間一郎は、その個体が20年前から存在し、テラフォーマーの原始的宗教にとって最重要な位置にいることをもって、「祈る者(インヴォーカー)」と命名した。

しかし、これにはいくつかの疑問が残る。
20年前というのは一郎と小町だけが生き残ったバグズ2号計画当時のことだ。
1巻のラストで頭髪のない進化型テラフォーマーが2体誕生してヴィクトリア・ウッドを殺害、秋田奈々緒の遺体を運びだした。

そのうち1体は一郎とティンによって排除されたが、残る1体は小町がパンチで屋外へ吹き飛ばしたものの死んでおらず、火星を脱出するポッドを見上げていた。そして秋田菜々緒の遺体からカイコガの能力と繊維を得て火星におけるテラフォーマー文明を急速に進歩させたのだと思われる。

そしてアネックス1号の時代になり、アドルフ率いるドイツ班を投石攻撃で全滅させたのがこの時の個体だとすると、アドルフの自爆に巻き込まれて死んだはずではなかったか?(ジョセフがこの死骸に遭遇しており、何かしていたかもしれない)

その後火星においてゴキブリ軍を率いるのは髪の生えた別の個体に入れ替わっていることから、指導者としてのポジションは一体のみに固有ではなく別の個体にも継承されると推察できる。

アドルフを襲って自爆に巻き込まれた指導者個体は右目が斜視になっており、今回イメージ映像で登場した「祈る者」は片目が白く濁った姿で描かれているためこの二者は同一だと思われるが、前回の脳波から再現した映像に写っていた指導者は両目が黒かった。そのため一郎は伝聞情報により、複数の個体を混同しているのではないか?(筆者の理解不足である場合はご容赦いただきたい)

まあともかく、テラフォーマーの指導者をいつまでもリーダー個体とか指導者個体、聖職者個体などと呼ぶのは面倒なので、名前をつけましょうということ自体は歓迎する。今後はテラフォーマーのリーダー=インヴォーカーだ!ということさえ分かれば他のことを考える必要はあるまい。

invokeは単に神に祈るというよりも、結果を切望する・念じて何かの現象を引き起こすといった、より強く請い願う意味合いが強い語句だ。ウィザードリィで死者の復活を行う際に見られる「ねんじろ!」というフレーズの原文がinvokeである。

潜入

というわけで中国の工作員が持っていたタブレット端末のGPS情報から「ヤミの手術場」の位置を割り出した一警護は、そこへ送り込むメンバーを選出した。日向、燈、三条、そして新顔の本郷である。目的地は東シナ海の人工島。現代の中国が一方的にガス田開発を強行している場所だ。そこにヤミの手術施設はあるらしい。

三条加奈子が他の3人を乗せてレーダー網をかいくぐり施設へ着地した頃、隠密施設の中では人体実験中と思われる一体のテラフォーマーが、ナマズのヒゲのような感覚器によって来訪者の気配を察知していた…。

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つづく

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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