テラフォーマーズ ネタバレ感想

(144)PEREPELKINA 母親の姓

脱出艇との合流ポイントまで残り830メートル!

慶次vsモンハナシャコ型テラフォーマーの戦いではスタートから170メートルしか前進していなかったらしい。

今回はイワンの回想。九頭龍や地球の情勢も挟みつつこれから一人ずつ焦点を当てていくとしたら、1000メートル駆け抜けるまでに2ヶ月はかかりそうだ。

全隊員の中でも珍しい植物型の能力を持つイワン。幻覚物質を注入、もしくは専用武器を使い散布することで相手に神経症状を起こさせ殺傷せず制圧することが可能。

生け捕りに向いた能力と言えそうだが、イワン自身が分泌量をうまく調整できず過剰投与で即死させてしまうことも多いらしい。

姉のエレナがピラミッドでかませとして瞬殺されて以来、イワンの過去や家族については語られてこなかった。今回はそんなイワンのエピソードが唐突に始まる。 

囚人 イワン・ザクリエフ

その男は檻の中にいた。

顔に大きな三日月型の傷跡。やつれた眼窩に光を失った双眸。男はイワン・ザクリエフ。

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ロシア軍に人質として囚われたイワンは牢から出され、それを処刑と思い込んだ彼はどうやって警備兵を殺し逃げるべきか思案する。

だがイワンが連れて行かれた場所は彼の予想に反して処刑場ではなく、「身元引受人」の前だった。

生まれた時から一人切りで、全てを憎み敵視することでしか生きてこなかったイワンに人間らしい生活を与えるため、アシモフは共に戦う同志と・・・家族を提供する。

それは酔狂ではない。

すでにロシア軍属としてアネックス計画に参加していたエレナの身元を調べた結果、彼女には異父弟がいることが判明し、アシモフらはその弟君を探していたというわけだ。

アシモフはイワンの祖国では裏切り者だ。

軍神と呼ばれ、小国でありながらも隣り合うロシアの脅威を何度となくはねのけてきた英雄。

現役を退いたはずのその英雄がなぜか突如としてロシア軍へ寝返ったという報せは、イワンら「祖国」の人間たちを困惑させ、落胆させ、そして憤怒させるのに十分だった。

読者はご存知のことと思うが、彼がロシア軍の門を叩いたのは、アネックス計画に参加しAEウイルスに感染した娘と胎児の命を救うことが目的だ。

この時イワンは15歳くらいだと思われるが、飢えた野良犬のような眼光で警備兵をくびり殺す算段をつけていた直後、目の前に現れた初対面の女性に姉だと名乗られてすんなり受け入れられたのは、彼が本来は素直で気のいい人間であったことの証左なのだろうか・・・。

その後イワンは見違えるように温和になり、火星行きの船の中ではシーラに一目惚れするなど純粋な好青年として描かれている。

火星着陸から数時間もしないうちに姉をテラフォーマーによって惨殺された悲劇の青年と思われていたが、姉とも実はそれほど長い時間を過ごしたわけではなかったわけだ。

自己注射

イワンは能力を使うたびに水分(血液)を失うため、全力疾走を維持できる時間の限界が早い。

残り810メートルにして大の字に倒れたイワンだが、アシモフとエレナの顔を思い浮かべながら立ち上がり、自分の右腕に己の針を打ち込む。

何かが吹っ切れたように声を上げて笑うイワン。

イワンを気遣うマルコスにも注射を打ち、帰って地球を救うぞと決意を新たにする。どうやらアルカロイドをキメてこの難局をのドーピングで乗り切るつもりらしい。

つづく。

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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