テラフォーマーズ ネタバレ感想

(153)THE OUTSIDER 闇の傭兵たち

あらすじ

マルコスら生き残った班員たちは、目標地点である海付近で、脱出ポッドに乗ってきた燈、ミッシェルらと合流。そこに、謎の救助艦「フロンティア・スピリット号」が到着する。実は民間企業の宇宙艦であったこの艦に乗っていたのは、燈のいた道場の師範代・草間朝太郎と、銃の使い手ダン。火星脱出のカウントダウンが加速する!(誌面掲載ママ)

YJ編集部様、たいへん分かりやすいあらすじありがとうございます。いつもこうして頂けると説明の手間が省けて助かります。

殲滅

フロンティア・スピリットが張ったシールドにより、地上や空中からの侵入は一旦食い止められた。残ったテラフォーマーを草間とダン、ミッシェルが中心となり次々と片付け、八重子とアレックスも合流。八重子たちをシールドの内側へ入れるために対空シールドを解いた瞬間にテッポウウオ型テラフォーマーの超遠距離狙撃に合うも、草間がそれを弾きダンがライフルで反撃して1ショットキル。周辺にはもう動くテラフォーマーの姿は見えない。

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※八重子の乗った車輌が近づいてきた時の反応

船内

超強力な助っ人二人とミッシェル・燈・エヴァたちの働きにより安全が確保され、救出ポッドから怪我人が続々と艦内へ運び込まれる。医療設備はひと通り揃っているようだ。

フロンティア・スピリットの背景についてダンから説明がある。エンジンの提供はU-NASAドイツ支局が秘密裏に行っていたこと。これから地球へ帰還する途中で全地球に対し火星の状況を説明すること、そしてドイツ同盟国であるブラジル沖に着水する予定であること。

また草間とダンについて。彼らは民間の警備会社「一警護(はじめけいご)」の従業員とのことだった。創業者は蛭間一郎であり、個人から国家までを契約者とするセキュリティ。「ただの民間人」でありながら彼らもまたMO手術を受けていた。完全に生身で戦闘しているように見えたが、まだ空気の薄い火星でスーツなしで活動するにはMO手術が前提なのだろう。

MO手術は国家機密であり一般には出回っていない技術であるから、それを制限する法律は存在しない。ダンが言う。肉体を改造してはいけないというルールはないのだそうだ。

どうも本作における数百年後の地球では医療水準が2015年とそれほど変わっていないらしい。近未来SFモノだとサイバネティクス・クローン・遺伝子操作によって作られた生体兵器やサイボーグ兵が登場し、行き過ぎた利便性の追求と倫理のバランス、神の摂理を人間が超えることについての問いを投げかけるような物が多い。現代地球の医療でもすでに様々な身体パーツを機械や万能細胞からのクローニングで補うことができたり、できるようになろうとしていて倫理的宗教的な軋轢を生もうとしているにも関わらず、このテラフォーマー世界ではそういった問題は起こらなかったのだろうか。サイバネ医療が発達した時点で肉体改造に一定の制限がかかるのが普通だとは思う。岩原裕二の「ディメンションW」という漫画では全身の機械化を割合で制限する法律があり、動力も規格が統一されている。

先日読んだ大学教授のインタビュー記事によると今でもブタにヒトの脳を発生させることは可能だそうで、それを実験に使うことが検討されているらしい。そうでもしなければヒト脳への実験ができないから、ということなのだが、そうするとヒト並みの知能を持ったブタが誕生し実験動物にされることになる。しかしそのブタには「人格」が宿っているのではないか・・・? この話を聞いて生理的に嫌悪感や恐怖を抱くのは筆者だけではないだろう。

そもそもこの作品には肉体改造についての悲壮感は全く見られないので、そういったものはテーマから割愛されているようだ。彼らはどう見てもヒトではない異形のバケモノになってしまったにも関わらず、そのことで苦悩したりデメリットを受けたりする描写はほぼ皆無。最近だとオーバードーズしても普通に人間に戻れているし、第一部で犠牲になったティンとは一体なんだったのかという空虚さが漂う。本作にはそういう「考えさせる」読み味を求めてはいけない。ドカ!バキ!ぐおおお!うわーーー!勝った!・・・こんな感じでポップコーンを片手に楽しむのが正しいのだ。

ジョセフvs小町?

話が逸れたが、凱将軍のアリタケ胞子に寄生されたジョセフはどうなったのか?

まだ理性はあるようで小町からの呼びかけに応え必死に正気を保とうとしているも、その瞳は変色している。ミッシェルへの思慕は彼をつなぎとめる錨となるか?

つづく

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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