テラフォーマーズ ネタバレ感想

(154)SILENT JEALOUSY 知りたいと願う心

燈・ミッシェル・エヴァを逃がすために殿軍を務めた幹部たちであったが、九頭龍の凱将軍が撒き散らしたアリタケの胞子がジョセフに取りつく。意識が混濁した様子のジョセフは小町と向き合い…そしてジョセフの回想編が始まる。

マーズランキング1位、ジョセフ。彼についてはまだ謎が多く、その真の能力や手術ベースについても明らかになっていない。

ジョセフの過去

話は彼が中学生の頃に遡る。

広大な敷地を持つ屋敷で父と向かい合い食事を摂るジョセフ。彼は今日、どうしても父に問いただしたいことがあった。兄妹の中で自分だけ母親が違うのだということをどこからか聞きつけ、その理由を知りたいと願ったのだ。

父はあまりにもあっけらかんとその事実を認め、何の感情もなく淡々と説明を始めた。曰く、父の容姿は少々威圧的な印象が強かったため、ほんの僅かに柔和な方向へ「品種改良」を行う必要があると父親自身が判断した。それで容姿の基準に適う娼婦を東欧で見つけ、金銭で契約して子を産ませた。

生まれた男児は予定通り完璧な身体能力と容姿を備えており、喜んだ父はジョセフを兄よりも先んじてニュートン家の跡継ぎにした。

ジョセフの背景が語られたのはしばらく前(10巻)のことになるので、父親の話を飲み込めない読者もいただろう。ニュートン家は600年以上に渡って自然交配によるヒトの品種改良を行っており、容姿・身体能力・病気への抵抗力といったあらゆる能力が普通の人間とは桁違いのレベルにまで達している。その証拠にジョセフは17歳にして陸上十種競技で世界1位となり、EUでトップの大学に普通受験で入学し、それと同時並行して空軍幹部学校を異例の成績で卒業。生物学と航空宇宙工学を修めながら空軍将校でもある。つまり何でもありだ。

ちなみに扉絵のコメントによると、数秒だけ寝たり体の一部だけ寝たりすることもできるらしい。

この一族が何のために品種改良に固執しているのかはわからない。秘密結社的に世界を裏から牛耳ろうというわけでもなさそうだ。

父から自分の出生について聞かされたジョセフはさすがにショックを受け、河原に座り込んで遠くを見ていた。そこへ声をかけたのは同級生のジャック。彼は普通の市民らしいが、強面で不良的な存在だった。しかしジャックはジョセフを変に特別扱いせず友人として接し、ジョセフもそんな彼には心を開いていたようだ。

生みの母も育ての母も生きていて経済的に困っていない、そんなの十分すぎるだろうとジャックは言う。確かにそうだ。深刻ぶって悲劇に酔うのもいいが、別に大したことじゃない。世界はもっと広いのだ。ジャックと話しているとき、ジョセフは自分を拘束するものから解放されたような気持ちでいたのかもしれない。

そんな男たちの背後に忍び寄る人影がひとつ。影の名はミッシェル。彼女もまた同級生だ。

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勝ち気な女子とそれをハイハイと受け流す男子2人の姿を見て、またこのパターンかと筆者の口から軽く嘆息が漏れる。この作品は幼なじみとの関係性でしか人物を語れないのだろうか…。

小町と菜々緒、燈と百合子、劉とミンミン、マルコス&アレックスとシーラ…幼なじみに拘泥したパターンだけでこれだけあり、さすがにワンパターンと言われても仕方ないだろう。

例によって事件は起こる。降りしきる雨の日、ジャックが暴行事件の重要参考人として確保されたとの知らせが入ったのだった…。

つづく。

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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