テラフォーマーズ ネタバレ感想

(160)APHRODITE 女神

ジョセフの心臓に渾身の左突きを放った小町。

胸に大穴を開けられ勝負あったかに見えたその瞬間、砕けたのは小町の左腕の方だった。上腕部から下がドロリと溶けるように崩れ落ち、甲皮も筋繊維ももはや形をなしていない。

刹那、ジョセフは電磁力を利用して地面に落ちていた専用武器の剣を呼び寄せ、背後から小町を刺し貫く。拳でジョセフの心臓を潰したと思われた小町が逆に心臓を潰された格好になった。

なぜ専用装備「カフカス・スヴィエート」で再生させた左腕が崩れたのか。血液型か? 甲殻型でないからか? 小町がMO手術ではなく旧式のバグズ手術しか受けていないためか? 答えは出ない。ただ事実として小町の左腕はジョセフの体躯を貫くことなく崩れ去り、その小町は致命傷を負った。

膝をつき天を仰いだ小町の目に映ったのはかつて共に火星で戦ったバグズ2号の仲間たちの背中。逝こうとした小町を引き戻したのは劉 翊武。中国版は小町らと敵対することを想定し、対オオスズメバチ用の解毒剤を用意していた。そのアンプルを3本飛ばして小町の首筋へ突き立てる。「針便鬼毒酒(じんべんきどくしゅ)」と名付けられた解毒剤が体内へ入ると同時に、かつての戦友ティンが言う。「まだこっちには来るなよ」と。

解毒剤がなぜそういった作用を及ぼすのか説明はないが、小町の左腕はまたも瞬時に再生した。いや、それはもう人の腕ではなかった。先端に巨大な毒針を備えた肉の鞭・・・グロテスクな触腕だった。予想外の展開に狼狽したジョセフは小町の放った右の突きを真芯で受ける。小町は心臓を剣で貫かれまもなく絶命すると思われるが、まだ昆虫特有の気門による呼吸でかろうじて動いている。翅が生え複眼となりその姿はよりいっそうスズメバチへと近づいていた。(まあ以前もオーバードーズでこれに近い姿になっており、作中ではそれから数時間と経ってないはずなのだが・・・)

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ジョセフは相反する二つの感情のせめぎ合いにあった。小町への畏敬・・・愛や信念を認め死を受け入れようとする心が芽生える一方で、ジョセフの人類の到達点たる誇りはそれを許さない。

自らの身を削ることをいとわず電撃を放つジョセフ、もはや人としての意識があるのかも分からないままジョセフへとどめを刺そうと毒針を構える小町。激しい衝突が起こり、そして・・・。

 

「一時間だ」

ダンが告げる。約束の刻限となり、フロンティアスピリットは離陸体制に入る。

一方、上空にて飛行を続ける(何をしてるかよく分からない)九頭龍のレーダーは高速で移動する正体不明の物体を捉えていた。

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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