テラフォーマーズ ネタバレ感想

(163)THE GRUDGE AND TESTMENT 仮説②

「ロシア班は目的を達成していた」…。

規定数のサンプルを捕獲できず、幹部乗組員の大半を失い、大失敗に終わったかに思われたアネックス計画。絶望と後悔に沈むフロンティアスピリットの船内で、イワンだけがその眼に輝きを失わず未来を見据えていた。

ロシア班は火星着陸時に単独行動を取るため、緊急措置であるプランデルタを発動させようと中国班と共謀して破壊工作を行った。

そしてピラミッドの内部を調査し、そこが物置小屋に過ぎないことを突き止めたことは既に明らかになっている。

実はロシア班のピラミッド捜索はそこで終わりではなく、さらに地下へと続いていた。それがイワンの口から語られる「仮説2」である。

仮説1 ラハブの残した装置による遺伝子操作

そもそも、イワンが言っているのは何の問題提起に対する仮説なのか? そして仮説1は何だったのか?

順を追って考えよう。ここでの問題は「なぜ火星のゴキブリがたった数百年で異常な進化を遂げたのか」だ。

そして仮説1は、ラハブと呼ばれる古代文明が遺伝子操作を行っており、そのテクノロジーが火星でまだ生きている…つまり何らかの装置や工場のようなものが残されており、テラフォーマーはそこから生まれているのではないかという内容だった。

本作の世界観において、ラハブという古代文明がかつて栄えていたことは確かなようである。ラハブは火星と木星の中間に存在した天体の名で、そこに住んでいたであろう生命体の文明をも含めてラハブと呼称しているようだ。

ラハブはピラミッドに代表される建造物を太陽系のあちこちに作っており、火星・月・地球に同様の遺跡が見られることから、これらの天体は数千年前にラハブの文化圏に属していたらしい。

しかし一般にはラハブは単なるオカルト扱いであり、それを聞いたマルコスもそんな話は不要だと一蹴している。

事実、ロシア班がピラミッドを捜索してもラハブの機械装置の類は発見できなかった。

仮説2 ラハブが残した未知のテクノロジーの正体

しかし、テラフォーマーの異常な進化は自然現象では説明できず、何らかの形でラハブの技術が関与していることは間違いない。

機械装置が残されていないとしたら、ラハブの文明はどのような形でゴキブリに影響を与えたのか?

それを説明するのが仮説2である。

仮説2によれば、ラハブは自分たちの生存圏に人類が侵攻してくることを恐れていた。そして火星へ到達した人類を撃退するための「罠」を仕掛けていたという。それがAEウイルスなのだと。

本来のテラフォーミング計画では火星の地下にコロニーを建造する予定だった。それが予算縮小により苔とゴキブリという比較的エコな手段に替わったわけだ。

ラハブは、人類が火星に到達した場合は地下に拠点を築くであろうことを予見していた。それゆえ地下にAEウイルスを人類に対する防御網として配置していたが、人類がゴキブリを放つことまではラハブの叡智を持っても予想できず、結果としてヒトより先にゴキブリがAEウイルスに触れて強制進化を促され、あのようなテラフォーマーになったというわけだ。

そしてロシア班は考えた。AEウイルスがいまだ罠として大量に配置されているのではないかと。

その説が図にあたり、ロシア班がピラミッドの地下で発見したものこそが…握りこぶし大の「AEウイルスの塊」であった。

独占

イワンが手にしたこの情報、そしてAEウイルスの塊はロシアの軍事機密に属するものであり、個人的な判断で公開する権限は与えられていない。

だが班員が咎める声を制し、生き残ったクルーには知る権利があると言って胸元をはだけたイワン。皮膚と同化したAEウイルスの塊がそこにあった。ワクチン製造に十分な量である。

ロシアはこれを隠したまま独占すればよかった。だがイワンの感情はそれを許さず、生き残った戦友たちへ包み隠さず吐露してしまう。そしてその利権を狙い、イワンに銃を向ける男がいた…。

草間朝太郎。

中国班

一方その頃火星では。置き去りにされた劉の元へ、完全に存在を忘れられていた中国班の生き残り…紅(ホン)と西(シィ)が急行していた。しかもジェットとドルジバーキのおまけつきである。生きていたか。戦局がここに至ってもまだ劉への忠誠は失っていないようで、表情には焦りが滲む。

満身創痍でテラフォーマーの軍勢とステゴロ中の劉。ジェットたちは間に合うのか!?

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つづく

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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