テラフォーマーズ ネタバレ感想

(17)FLY,BRO,FLY 兄妹

そこそこ良い家庭で育ち、東大を出て警察キャリアとしていわゆる「まとも」な人生を歩んでいた本郷がテラフォーマー狩りのために一警護へ転職したのは、行方不明になった妹を探すためだった。

そして手がかりをようやく掴んだ矢先。潜入した施設で金姫が散布した細菌兵器によって身体の自由を奪われ、勝ち誇る彼女の口から人間の女がどういう扱いを受けるかを聞き、地面に伏したまま怒りと悔しさで身を震わせる本郷。

金姫もさっさと本郷を殺しておけばいいものの、頭を踏みつけてペラペラと喋るという一級品のお膳立てを披露してしまったため、案の定ここから逆転劇が始まる。

ガラガラヘビ

前触れもなく、人間飼育ケージの扉が一斉に開いた。慌てて振り向いた金姫の目に飛び込んできたのは、上半身、特に胸のあたりが異常に肥大化した日向の姿。彼がどこからか手に入れてきたマスターキーを使って解錠したらしい。「あったよ!マスターキーが!」「でかした!」(作中にそんなセリフはない。念のため)

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大きく膨らんだ胸は空気によるもので、息を止めて細菌の空気感染を防ぎ行動しているようだ。本郷の手術ベースであるヘビの骨格上、このような芸当が可能になるらしい。

日向はハンドサインで本郷に何事か合図し、突進してくる金姫に向けて「声」を発した。溜め込んだ空気を瞬時に吐き出して発する声の音圧は140~160db以上と推測される。騒音計メーカーのサイトによると、140dbは大型ジェットエンジンの近くの音圧に近いようだ。

ちなみに音圧の単位「db(デシベル)」は対数を用いているため、140dbと160dbは単純に音の大きさが1.14倍というわけではない。地震の強さを表すマグニュチュードもこれと似ていて、マグニチュードが1違うと地震のエネルギー量は32倍になる。M6.0とM8.0では約1000倍の差だ。dbもそんな感じで、140dbのジェットエンジンを2機並べても280dbにはならない。

それはさておき、ノーガードな鼓膜へ瞬間的に大音量の波をぶつけられ、紅式手術を受けた金姫といえど平衡感覚を奪われてしまう。

この作品は刃牙シリーズを髣髴とさせる描写が時折見られる(別にパクリだとか言うつもりは全くない)のだが、今回はガイアお得意の「叫び」である。グラップラー刃牙17巻でガイアがこの雄叫び攻撃を使った時は近くにいた部下が白目をむいて失神した。直撃した刃牙は鼓膜こそ破れないものの平衡感覚を失い、脳を揺らされた時のように風景がドロドロに見えていたようだ。

今回、本郷はハンドサインで日向の攻撃を察知できたため耳を塞いだが、周囲で細菌攻撃を受けもだえている人間たちはまともに聞いてしまったと思われる。だがその後のコマでモブたちが普通に観戦しているところを見ると特にダメージはないようだ。音に指向性を持たせることができるのだろうか?

日向は金姫の数秒の隙を突いて2丁の拳銃を取り出し、片方で彼女の掌を正確に撃ちぬく。貫通した弾丸はそのまま本郷へ向かい、彼も被弾。もう一方の弾丸は最初から本郷を狙っていた。この行動が意味するものとは?

本郷を狙った弾丸の正体は「キマイラブラッド活性ユニット」である。そして金姫を撃ちぬいた弾丸には彼女の血液が付着している。つまりそれらを接触させることで、本郷はキマイラブラッド能力として金姫が持つカブトガニの抗毒性を手に入れることができるのだ。

瞬時にその作戦を見ぬいた金姫は、空気を使い果たした日向ではなく、動けるようになった本郷へ矛先を向ける。キマイラブラッドの技術は特に機密ではなく相手も普通に知っているのだろうか。「薬」を使い甲殻型の巨大な腕を表出させた金姫はそのハサミで本郷を刺し貫き、惜しいところまで行ったが本郷はそのまま崩れ落ちる。

その本郷の背中から一人の人質が呼びかけた。「お兄ちゃん・・・?」と。

この後は「能力・覚醒・勝利」でお馴染み、ジャンプ三原則のフルコースが待っている。キマイラブラッドの効果が切れたはずの本郷だが気合(?)でさらにバッタ形態へ近づき、キック一発で金姫の甲殻フルガードを粉々に粉砕。勝った! お兄ちゃんのシスコンパワーは細菌兵器をも超える。

次号休載です。

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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