テラフォーマーズ ネタバレ感想

(20)A LEGAL RIGHT ある権利

東シナ海に浮かぶ中国軍施設の地下で、秘密裏に進められていた三者合同による拉致監禁と人体実験。

三者とはテラフォーマー、中国軍、ニュートン家である。

問答無用の絶対的な敵対勢力であるはずのテラフォーマーと意思疎通し、協定を結んでまで彼らが手に入れたかった成果とは一体何か?

その秘密に迫る前に、まずは潜入チームが直面した窮状を切り抜けなければならない。

潜入メンバーは4人。燈、日向、本郷、加奈子で、現在は施設内でバラバラになっている。

施設内から救出された大勢の人質を背中に庇い、施設内にどれだけ控えがいるか分からないテラフォーマーを相手に体力勝負は分が悪く、各人の顔には披露の色が濃くにじむ。

日本と中国との政治的な緊張を踏まえ、この場所への表立った支援は国際問題となり軍事衝突を引き起こす恐れがあるため、救助は望めない・・・はずだったが。

 

大群に押し包まれ、これまでの半生を振り返って死をも覚悟した三条加奈子の目の前で、テラフォーマーたちが一斉に体躯を切り裂かれてどうと地に伏す。

涙でにじむ彼女の目には、仁王立ちする火星の戦友、マルコスの勇姿が映されていた。背に装着したユニットから4本のアームを伸ばし、より1vs多数の戦闘にシフトしたように見える。

曰く、「モザイクオーガンハイブリッド兵器・アラクネバスターMK-VIII」。今回はU-NASAではなくアメリカ宇宙軍のご謹製だ。火星に持って行った棍棒はMK-IIだったので、わずか1年で6回もの世代交代をしている。両手両足とこの4本のアームで都合8本となり、ようやく蜘蛛としての体裁(?)が整ったようだ。

 

施設上空をフライパスする軍用飛行機の影が3つ。その機内から施設へ向けて、狙撃銃でハッキング用の特殊弾丸を撃ちこんでいる黒人の男・・・ゴーグルで顔は見えないが、どう見てもダン(ダニエル・アーサーJr)だろう。彼の精密狙撃により、支援部隊の情報班が施設のハッキングを開始。これで情報を丸裸にできる。

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地下で救助された民間人たちを先導していた日向の元へは、2人の新キャラが駆けつける。「トーヘイ」と呼ばれる拳銃使いと、リジーと名乗る猫耳の格闘娘だ。彼女は殿軍を引き受けると言う。

 

そして甲板では、燈に集団的自衛権の解説を垂れながら見開きで登場。真打、ミッシェル・K・デイヴス。今の肩書は「アメリカ合衆国宇宙軍特殊作戦部隊・SPACIALs チーム4隊長」だ。

まあこの作品に緻密なポリティカル要素を求めている読者はあまりいないと思われるので、その辺の整合性について突っ込むような野暮な真似はしない。真面目に検証するだけムダだ。もしこの海域におけるリアルな政治的駆け引きを楽しみたければ、かわぐちかいじの「空母いぶき」を読むといい。

 

さて援軍到着により流れが変わったので、これで施設は平定、おそらく自爆して情報隠滅か、たいしたデータは残っていないといった展開だろう。空飛ぶ球体に乗った幹部級3人はまだ上空に留まっているが、負けが濃厚になればどこかへ飛び去ると思われる。

今後は中国軍との衝突が予想されるが、彼らが研究していたものとは一体なんだろうか?

 

次号(2016/8/25発売)へつづく。

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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