テラフォーマーズ ネタバレ感想

(3)帝国の逆襲

人間がゴキブリを異常に嫌うのはなぜか。
バグズ計画の責任者、アレクサンドル・ニュートンが言うには「同族嫌悪」である。
そこに理屈はなく、生理的な嫌悪感から人間はゴキブリを殺す。

そしてそれは向こうも同じではないか-。

 

デイヴス艦長の「能力」


ニジイロクワガタの甲皮をまとったマリアを一撃で両断したゴキブリの異常なまでの腕力。
その拳で顔面を直撃された艦長・デイヴスだったが、クルーの予想に反しピンピンしていた。

彼の手術ベースは、自重に対し100倍以上の質量を持ち上げる昆虫…蟻。
その中でも最強と呼ばれるパラポネラ種は、
噛まれた時の痛みの壮絶さから弾丸アリ(バレットアント)ともあだ名され、
グンタイアリの群れでさえ避けて通ると言う。

デイヴスは片手で軽々とゴキブリを持ち上げ、パワーボムで床が割れるほど叩きつける。
首がへし折れ断末魔のギィギィという鳴き声を上げてもがき苦しむゴキブリ。
人類が始めてゴキブリを倒した記念すべき場面だが、それを喜ぶ余裕はない。
100匹以上の仲間が船の周りに集結していたからだ。

 

船からの脱出作戦


デイヴス以下クルーたちはこの状況を打破する算段を立て始める。
倒したゴキブリの腹を裂いて糞を取り出し、集合フェロモンを拡散することで仲間を一箇所に集める。
引きつけた所でシャッターを閉じ、酸素を切って火をつければ一網打尽にできるという計画。

問題は誰が残ってこのプランを実行するか。
デイヴスは艦長としてクルーを守る責任があるが、作戦には最低もう一人いる。
しかし残ればゴキブリの相手と火災で自分も死ぬ危険性が極めて高い…。

 

手を上げたのは蛭間一郎だった。
彼曰く、自分が一番命の価値がない。そして任務の契約金はすでに彼の実家へ届けてあるという。
クルー同士は互いの事情を知らないが、艦長は全クルーの事情を能力を把握している。
デイヴスは蛭間一郎に同行を命じ、残ったクルーを探索ビークルで脱出させる。

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普通に車庫のハッチを開けて車を走らせたのではゴキブリに取り付かれる恐れが大きいため、
テジャス・ヴィジは自分の能力を使って「飛ぶ」からしっかりつかまるように指示を出す。

彼の能力はメダカハネカクシという虫が持つ、ガス噴射による高速移動。
自長の150倍の距離を1秒で移動することができ、人間サイズに換算すると時速945kmに相当するという。

 

この作品にはこのように、「人間サイズに直すと…」という説明が度々登場するが、
実際には単純なスケーリングは無意味である。

生き物の体重はおよそ体長の3乗に比例するため、
体長1.6cmの昆虫を160cmの人間大に伸ばすと重さは100の3乗倍だから100万倍になる。
それだけの重さを支えたり動かしたりできる構造となると、
元々の昆虫の体の仕組みでは到底実現不可能。

が、コミックなのでそんな野暮で夢のない指摘は要らない。
これはこの作品を楽しむ上での重大な約束事だ。
余計なツッコミは不要、ぜひ覚えておいて欲しい。

 

テジャスのガス噴出口はなんと口である。
ヒョットコのように変形した口吻から
超高圧のガスを吹き出して後ろへ飛ぶ絵ヅラからしてもう無理があるのだが、
ともかく目論見通りにビークルは船を一瞬で離れてゴキブリの追撃を振り切った。

「すげぇぞテジャス!」
そう言って肩をつかんだ小町が見たのは、首から上がもぎ取られたテジャスの体。

驚き戸惑う一行。その時地平線から太陽が上り、視界に古びた宇宙船が入る。
かつて火星で全滅したバグズ1号の残骸だった。

 

バグズ1号に残されていたもの


副艦長のミンミンは船の残骸を調査することを決め、全員で船へと近づく。
電源は生きており、中は思ったよりも整然とした状態で残っていた。

モニターには「TRANSMITTED」の文字が大きく表示されている。
昔、1号の乗員が何かを地球へ向けて飛ばした記録のようだ。
何を飛ばしたのかまではわからない。

その時、船の外から銃声が2発。
慌てて飛び出すとジョーンとルドンが頭に銃弾を受けて死亡している。
バグズ1号の船体の下から、銃をもったゴキブリの群れが這い出してきた・・・!

ティンと小町は変身してゴキブリたちを迎え撃つ。

 

地球の2人


ニュートンは今更のようにクルーのリストに違和感を覚えていた。
バグズ手術は彼の計画のもと、
火星での戦闘を想定し強靭な種を厳選して行われていたはずだった。
だがリストの中には「蚊」が入っている。なぜだ?
そしてなぜ今までそれに気が付かなかったのか。
ニュートンと同じように読者も違和感を覚えたことだろう。

本多博士が何者かと通信している。
バグズ2号がピンチに追い込まれ、火をつけるところまでは計画通りだと。
そしてデイヴスの死は好都合だが、
残った東洋人たちは獰猛な昆虫を移植されているので気をつけろと言う。

通信機の向こうの相手は、崖からバグズ2号を見下ろすゴキブリだった…!

 
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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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