テラフォーマーズ ネタバレ感想

(2)UNDERDOGS 流浪のむれ

飢えた不法移民たち


カリフォルニア州東部、サニープール。

グランメキシコから職を求めて不法入国してきた二人組の少年、
マルコスとアレックスは今日も飢えていた。

この2週間まともに食べていない。
野良犬を捕まえたが、腹を壊しそうだと逃がしてやった。

マルコスは思案の末にストリートギャングに加わることを決めるが、
アレックスはそれには賛同せず物別れに終わる。

 

彼らが不法に越境した理由は、シーラという幼なじみの女の子だった。
彼女の父親が経営する会社で従業員が暴動を起こし、その父は死亡。
シーラと母親は親類を頼りにアメリカへ渡った。
マルコスとアレックスはその後を追ってきたというわけだ。

だがアメリカに来て新聞を見ると、
そこにはシーラの母親が不法入国の斡旋事業者と共に国境で死んだと書かれていた。
他にも身元不明の12名の遺体があったという。

アレックスは野球が得意で、メジャーリーガーになりたいという夢を持っていた。
まともな職につこうにも、身分のない不法移民を雇ってくれるところはない。

一方のマルコスはシーラを追ってきただけで、他のことは漠然としていた。
だからシーラが死んだと知り、全てがどうでもよくなった。
ギャングだろうがなんだろうが生きていければそれでよかった。

 

今夜はギャングに入って初の大仕事、近所の金持ち屋敷への押し込み強盗だ。
従業員を焚きつけ暴動を煽り、その混乱に乗じて金品を頂く。
マルコスはその手口に既視感を覚えた。

この手の輩がグランメキシコで似たようなことをやり、シーラの父を死に追いやった。
家族を離散させ、結果的にシーラも殺した。
自分も今その片棒を担ごうとしている・・・。

マルコスは手にした鉄パイプでギャングのリーダーの頭を殴りつけ、反旗を翻す。
が、多勢に無勢であっけなく地面に転がされてしまい、あとはなぶり殺しにされるだけ・・・

どこからか飛んできた、こぶし大の石がギャングの一人の頭を割った。
後方にはアレックスの姿。乱戦になったが辛うじて二人共生きて逃げ延びることができた。
なぜタイミングよくアレックスが駆けつけたのか、その詮索は野暮というものか。

この国に来た時と同じ様に、路地裏で肩を並べて座り込む二人。

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彼らはすでに何度も耳にしていた。U-NASAが火星行きのクルーを募集していること。
命の保証がない危険な任務である代わりに高報酬であること。
二人は昔シーラが火星に行ってみたいと口にした光景を思い出していた・・・。

 

U-NASA


病棟では手術を終えた膝丸燈が眠りから覚めていた。
成功率40%にも満たない危険な手術だが、燈の場合は事情が異なる。

彼は両親のどちらかがバグズ手術を受けた後に生まれた子で、
手術で移植されるべき要素の大部分は先天的に備えている。
そしてそれは副長のミッシェル・K・デイヴスも同じであった。

ミッシェルの父ドナテロ・K・デイヴスはバグズ2号の艦長として火星に行き、そこで死んだ。
実際にはゴキブリに殺されたのではなく、人間による射殺だったが・・・。
ドナテロはこの時地球に娘を遺しており、
その子にもバグス手術で得た能力は遺伝していたというわけだ。

 

生存率40%以下の危険な手術を受けてまで火星に行きたがる人間がいるのかという燈に対し、
命の売り手は腐るほどいるとミッシェル。
事実、まさにその時U-NASAに直接乗り込んできた入隊希望者が2人いた。
元ギャングと、メジャーリーガー志望の不法入国者だ。

あまりにも唐突な押しかけに困惑する係員。
そこへ現れた小町小吉が連れていたのは、シーラであった。

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越境中に射殺されそうになったところを保護され、
そのまま火星クルーの募集に乗りU-NASAへ連れて来られたらしい。
奇跡的な再会に沸き立つ3人。

彼ら2名が手術に成功すれば、
火星行き宇宙艦「アネックス1号」のクルーはちょうど定員となる。

小町はマルコスとアレックスの採用を許可する。
かつて志願して火星へ行った自分と秋田奈々緒の姿を重ねるように。
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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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