テラフォーマーズ ネタバレ感想

(37)END OF THE HEAD 頭の死

ドイツ


アドルフの妻が銀行の前でU-NASAへ電話をかけていた。
残高は7.5ユーロ。1ユーロ130円換算で1000円にも満たない額だ。
夫の給与が振り込まれていないことへの問い合わせである。

U-NASAの答えは「そのような者は在籍しておりません」。

アドルフの死亡とともに彼の家庭は「なかったこと」にされた。
ドイツ支部の重役らしき女性は、それをアドルフの妻自身が選んだ結果だという。

子がMOを受け継いだアドルフの実子であれば実験体として、戦力として価値があった。
だが彼女が産んだ子は・・・。

「あの家に我々の身内は一人もいない」
アドルフが死んだ理由は強い女との信頼関係がなかったからだと、ドイツ支部の女性は語る。
そしてもう一つの研究に懸ける、とも。

 

ジョセフ


首だけになった元・腰布付きテラフォーマーの死骸を踏みながらジョセフは思いを巡らせていた。
この個体が電撃により内蔵を傷めていて、どの道永くは持たなかったことから
爆発から逃げられなかったわけを理解できたようだ。

ジョセフの後ろには脱出機。彼が一人で乗ってきたのか?
他の隊員は? 網に捕まったのではなかったのか?

その疑問には一切答えないまま、テラフォーマーの群れを近づくに任せるジョセフ。
ペラペラとゴキブリたちに語りかけるが、無論返事が戻ってくることはない。
逃げようかななどと内心ごちているが、その表情にはまだ余裕があるように見える。
これまで彼が戦闘を行ったシーンはないが、アネックスに侵入したテラフォーマーを排除した際には
テラフォーマーを縦にスッパリと切断しており、幹部にふさわしい実力をもっているはずだ。

しかしここでもまだ彼の実力を見ることはできない。

 

日米第一班


小町らはテラフォーマーのサンプルをすでに脱出機のカゴ一杯に捕獲していたが、
まだ群れは大勢残っている上にバグズ能力持ちが2匹混じっていた。

一体は大柄な力士タイプ。もう一体は白い体毛が広く生えている。

大柄な個体は動物性タンパク質を摂っていると小町は推測する。
バグズ2号が積んでいたカイコガを養殖して食糧にしているのではないかと。
事実、カイコガの成虫はロシア班によって目撃されている。

白い体毛のテラフォーマーは糸を出し、その先に岩を結びつけて投石器のように振り回していた。
小町曰く、「1000mの鋼鉄の糸を紡ぎだす蜘蛛糸蚕蛾の特性」。

小町は20年ぶりに目にした。
火星でテラフォーマーに殺された幼なじみ、秋田奈々緒の能力を。

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激高し怒りのままに敵へ向かって行くかと思いきや、
意外なことにスズメバチに変態してなお小町は冷静だった。
バグズ2号の乗員の遺体を利用したことに憤るマルコスを抑え、落ち着いて駆除すると言う。
自分に言い聞かせるかのように。

「不幸中の幸いっつーのかな- さっきのも・・・このふたりも・・・
あんま喋ったこと無い人たちだったからよ」


だから心配するなとマルコスに言って聞かせ、一人歩み出る小町。

「だろ? ゴリラ」


静かな怒りと悲しみ、そして懐かしさと親愛を込め、小町は奈々緒のあだ名を呼ぶ。
その表情は先刻からもうずっと、うかがい知ることができない。
この決着は他の人間には譲れない、彼の背中は寂しげに語っていた。
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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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