テラフォーマーズ ネタバレ感想

(38)DEAR HEART あなた

あの日


小町の脳裏を20年前の出来事が去来していた。
火星で死んだ親友のこと、そして置いてきてしまった幼なじみの亡骸のこと。
第一部のラストシーンだ。

バグズ2号に搭載されていた地球への帰還ポッドは狭く、
生き残った小町と蛭間一郎の二人で搭載キャパシティはギリギリだ。
すでに寿命が尽きかけているティンや、すでに死亡している秋田奈々緒を載せる余裕はない。
小町と奈々緒が暮らした家の近く、桜の咲く丘には遺骨のない墓が建っている。

あの日、バグズ2号を襲った進化型テラフォーマーは奈々緒の遺体そのものか、
あるいはその体が発する繊維-カイコガの能力-に興味を示し、遺体を連れ去ろうとしていた。
だから、もしかしたら彼女の遺体は何か特別扱いをされているのではないかと、
小町は淡い期待・・・願望を抱いていた。

 

空手六段


だが、直面した現実はその願いをあっさりと否定する。
目の前に立つテラフォーマーはクロカタゾウムシ、そしてカイコガのバグズ能力持ち。
バグズ2号の隊員の遺体を使い、なんらかの外科手術を行なっているのは明白だった。

静かな闘志と哀惜を背中に纏い小町は歩を進める。
クロカタゾウムシの拳も、カイコガの投石や糸を使った攻撃も、皮一枚のところで彼には当たらない。
研鑽を重ねた人間が到達できる、武道の成果だ。

2体を相手に一歩も引かず、その拳で虫を払いのけるが如く弾き飛ばす小町であったが
クロカタゾウムシに毒針が通らないのを見るや、マルコスと鬼塚慶次が救援に入る。
こっちは任せろと力を込める若干16歳のマルコスを、小町は頼もしく思う。

背中を預けられる友・・・かつてティンとそうしたように、
今再びオオスズメバチの毒針がテラフォーマーと相対する。

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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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