テラフォーマーズ ネタバレ感想

(43)BLUE EYES 炎の瞳

火星の穴の底


鬼塚慶次とクロカタゾウムシ型テラフォーマーは期せずして穴の底で1対1となり、
あたかも異種格闘技戦の様相だ。

クロカタゾウムシ型は他のテラフォーマーとは異なり、
養殖したと思われるカイコガを食べて動物性タンパクを摂取している。
そのため体つきが2回り大きく、隆々と膨れ上がった筋肉がはちきれそうだ。

その筋力、そしてゴキブリの持つ瞬発力で放つ拳。
人間など一撃で即死に至らしめるには十分すぎる武器だが、慶次にはただの一発も当たらない。
これも小町の空手と同じく、人類が研鑽し積み上げてきた武の歴史。
毎日練習した動きを体が覚えているに過ぎない。

慶次の手術ベース、モンハナシャコは貝や蟹の殻を強力なパンチで叩き割って捕食するだけでなく、
生物の中でも特に目がいいとされている。
人間の目では捉えられない紫外線、赤外線やマイクロ波、電波まで可視領域だという説まであるらしい。
だとすれば、いったい周囲がどう見えているのか想像もできない世界だ。
少なくとも火星の暗い穴の底で慶次は相手の姿をはっきりと視認していた。

 

ボクサー


テラフォーマーと対峙し、圧倒的なパンチ力で相手の甲皮にヒビを入れながら
慶次は亡き母のことを思い出す。
いつも心配をかけていたこと。
地球へ帰ったら、母が安心してくれるような人生をやり直そう。
火星で出会った素敵な仲間たちと共に-。
いかん、慶次それは死亡フラグだ!

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母を想い思わず涙を流した慶次。その涙が一瞬彼の視界を奪った。
避けられたはずのパンチが彼を襲い、遥か後方の壁へと激突させる。
煙を上げるテラフォーマーの拳。
壁面から穴底へ滑り落ちたまま動かなくなった慶次。
慶次が何発殴ってもヒビ割れがせいぜいの所、大砲一発で全部チャラにしてしまうゾウムシ。
幕之内一歩と対戦したボクサーはこんな気持ちだったかもしれない。

片はついたと小町の方へ進み出るゾウムシであったが、
小町は「まだ経っていない」と言う。

ゾウムシの背中ではカイコガ型の張り巡らせた糸をリングロープの代わりにつかみ、
立ち上がる慶次が見える。そう、まだ10カウントは経っていない。
ダウンしても起き上がってくる、それもまたボクサーの習性なのだ。
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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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