テラフォーマーズ ネタバレ感想

(72)MAN ON A MISSION 兵士と父親

「細菌型」の能力を発現させアネックスの周囲一帯を死のゾーンへ変化させた中国班・紅(ホン)。

群がるゴキブリを壊滅させ当面の危機は取り払ったが、代わりに人間も防護服なしではいられない環境になってしまった。

防護服は人間の体型に合わせて作られているため、MOによる変態と能力の使用は制限されることになる。

 

アシモフの娘婿 アレキサンダー


細菌型の能力発現を見るや否や撤退命令を下したロシア班であったが、地下の坑道に一人あるべき姿が見えない。

アレキサンダーはアネックスに留まり、単身で中国班へトラップ攻撃を仕掛けていた。

防護服なしで彼が残った理由はただひとつ、地球でワクチンを待つ女性のためだった・・・

 

~ここからお決まりの回想シーン~

親を知らずに育ったものの、子供の頃は「成績優秀スポーツ万能」だったアレキサンダー。

おそらく経済的には豊かでなかったと思われるが、特待生扱いなのか困窮しやせ細っている様子はない。
中卒で軍隊に入ったのは銃や金が好きだったこと、あとは家族を知らないため相手を殺すことに特別な感傷や抵抗感がなかったことが理由らしい。

そんな彼がある日街角で見かけた女性に一目惚れをし、その場で交際を申し込む。
父が厳しいから無理だと断る女性に食い下がり、父親に会わせてくれと頼み込む若き日のアレキサンダー。

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彼の熱意に圧されたのか、単にイケメンだったからか定かではないが、女性はそのやりとりがきっかけでアレキサンダーにアシモフ家の敷居をまたがせた。
ここはページ数の関係で都合よく記号化されていて、途中にはラブコメ作品5巻程度に相当するボリュームのやりとりがあったことは想像できる。
普通の人がこのナンパを真似したら間違いなく警察沙汰になるのでおすすめしない。

可憐な彼女のイメージからは想像できない岩のような父親。
祖国の英雄として名を馳せたシルヴェスター・アシモフに会うなり顔面をジャイアンパンチされるも、懲りない彼は父親を射止めるべくイメージアップの努力を重ねる(主に髪型を変えることで)。

健気なアレキサンダーの心根に感化された彼女と母親は次第に彼の味方をするようになり、アシモフを家族で制圧。
そして彼は晴れてアシモフの「息子」になり、彼女は妻となった。彼は初めて家族を手に入れたのだった。

 

そこから火星までは義父(舅)シルヴェスターと同じ経緯を辿っている。

・妊娠中の妻がAEウイルスに感染し、治療のためにワクチン開発が必要となった



・AEウイルスは火星由来であり地球上の生物に対し致死率は100%、培養してワクチンを研究できない



・火星に行って現地の生物サンプルを研究するしかない



・アネックス計画の実行は2年後、それまで妻の体は持たない。当然お腹の子も死ぬ



・裏のプラン(※中国と組んでミッシェルと燈を略取)の実行メドが立てば
政治的に圧力をかけて計画を前倒しすることは可能と持ちかけられる



・シルヴェスター、アレキサンダーともに計画を内諾

彼を決死の単身行動へ駆り立てたものは、家族への情念だった。

 

アレキサンダーの狙い


トラップで部下数名を失ったものの、劉 翊武は極めて冷静だった。

アレキサンダーの狙いはもう一基のミサイル。
自分たちが向かっているのも同じ場所だ。
トラップに使える材料はそう多くない。
敵は隻腕、数的にも中国が有利で持久戦になれば細菌の力で勝手に倒れる。

戦闘要員を引き連れてミサイルの元へ向かう劉将軍。
だがその目算は誤りだった。

トラップは進軍する自分たちの「後ろ」で作動している。
つまり敵は自分たちの後方にいて、ミサイルへは向かっていない。

あわてて踵を返すジェットとドルジバーキ。
向かったのは紅(ホン)らが荷物の回収をしている倉庫だ。

ジェットが防護服のまま拳でドアをぶち破る。
どうなってんだその服は、とU-NASAの技術力に感心している場合ではない。

倉庫の中には不可解な白い煙が立ち込め、荷物回収に向かった者達が見えるだけで7名、全滅している。
アレキサンダーと紅(ホン)の姿はない。

倉庫の奥の別室で壁際に紅を追い詰めたアレキサンダー。
鼻や口からは血が流れている。細菌の影響でおそらくもう永くない。

彼は自分の家族を守るために、命をかけて細菌兵器を排除しにきた。
ロシア班がこの船に乗り込み、研究設備を使ってワクチンを作れるように。
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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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