テラフォーマーズ ネタバレ感想

(101)SILENCE OR VIOLENCE

通信コントロール室を前に対峙した西(シイ)と慶次。

負傷し動けない爆(バオ)と、変態せず様子を見守る紅(ホン)。

「女は殴らない」無抵抗の慶次に西は・・・?

 

西(シイ)の過去


恒例の生い立ちモノローグから始まる。

西は中国の特殊工作員として幼少期から選抜され訓練を受けてきた軍事エリート。

世界のどこへでも潜入し、どんな相手でも素手で殺せる訓練を受けている根っからの職業軍人である。

一方の慶次はあくまでスポーツマン。

ボクシングでベルトを獲ったものの、その動機は「人を殴りたい」とか「自分の強さを誇示したい」といった好戦的なものではない。

プロボクサーなら殴れば簡単に人を殺せるとは言われるが、それはあくまで結果であり、本来が殺すために特化した技術ではない。

そこにこの両者の差がある。

 

西の攻勢


重厚な防毒スーツを全身に纏ってなお、西の体捌きは軽装の慶次を上回る。

当たれば即死級の手刀を繰り出し、怯んだ所へタックルをしかけ慶次をダウンさせてしまう。

いかに倹約節制しているボクサーとはいえ体重は慶次のほうが上だと思われるが、西は荷重の使い方が上手いのだろう。

 

慶次を見下ろし西は偽善者だと罵る。

彼女の主張は前回を読んで筆者(私)の言ったこととほぼ同じだ。

今はスポーツではなく殺し合いをしていて、甘いことを言っていれば仲間が死ぬ。

女を殴るのは本意でなくとも、仲間のためにポリシーを曲げてみろ、と。

 

西は西でやはり甘く、「正々堂々」な精神が顔を出している。

相手に反撃のチャンスを与え、諭しながら挑発しているが、本来の彼女の役割を考えるなら悠長におしゃべりしている場合ではない。

暇があるならさっさと慶次を始末し、船内の侵入者を皆殺しにして劉将軍の元へ駆けつけるべきなのだ。

今の西は、ほんの数ページ前で紹介された「一切殺すことをためらわないキリングマシーン」的な存在とは程遠い。

 

ゆっくりと近づいても慶次は反撃しない。西は緩慢な動作から気を発し、掌底で慶次の股間を潰す。

テラフォーマーズ_発勁

グチャッという不愉快な音響に絶句する爆、正視できない紅。

おタマタマを潰し、もう動けないと確信した西はクルリと踵を返してしまう。だから甘いんだっつの。

とどめを刺さずに背中を向けることが軍事教練のマニュアル通りとは思えないのだが…。

不屈


歩を進めようとする西の肩を、後からガシッとつかむ腕。

驚く西だが、これがバキなら本部以蔵あたりが解説してくれただろう。

「あれが琉球空手に伝わる秘技、コツカケだ」と…。(※)

※コツカケ…腹筋の力で睾丸を体内へ隠し金的に備える姿勢。愚地独歩曰く、キャリアのある空手家にとっては常識。

いや慶次は空手家ではないし、本作においてそういったコツカケの描写は全くない。グチャッと破裂音がしているし、血も出ていることから慶次は単に「耐えている」だけだと思われる。

 

西は慶次の底知れぬ気力に恐怖する。紅、爆も同様、目の前の存在が理解できない。

打たれても立ち上がるが反撃はしない。反撃すれば相手にダメージを与えられるだけの力を持っているのにだ。

その慶次の姿に動揺し、中国班のメンバーたちは忘れてしまった。船内には慶次の仲間がおり、どこかで別行動していることを。

慶次の狙い


慶次の目的は敵の足止め。エンジニアたちが床の亀裂からコントロールルームへ潜入し、電波塔の制御を奪うまでの時間稼ぎであった。

エリカが持つヤモリの能力で壁を這い上がり、4名のエンジニアはコントロール室へと到着。 残留毒素に耐えられる時間はあと6分7秒だ。

つづく! ※次週休載
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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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