テラフォーマーズ ネタバレ感想

(1)既知との遭遇

西暦2599年


小町小吉(こまちしょうきち)と秋田奈々緒は13名の乗組員たちと共に、火星を目指す宇宙船「バグズ2号」の中にいた。
彼らの主な目的は火星のゴキブリ駆除である。

なぜ火星にゴキブリがいるのか?
その理由には少々の説明が必要だろう。

東工大教授・本多博士が出身母校で行った講演によれば、そもそもの起こりは地球の人口問題だ。
環境破壊やエネルギー問題の解決策として、火星を人の住める環境へ作り変え増えすぎた人間を移住させる「テラフォーミング」。
そのためにはまず表面温度マイナス58度の火星を温める必要がある。
太陽光を吸収し火星を温める手段として採用されたのは、「苔」と「ゴキブリ」を大量に火星へ放つというものだった。

それから数およそ500年後。火星は目論見通り一面の苔が生い茂り、大気が生まれていた。
十分に火星が温まったところで、不要になったゴキブリを駆除するために派遣されたのが今回のバグズ2号というわけだ。

バグズ2号のメンバーは国際色豊かだ。
アメリカ出身の艦長デイヴス、日本から小町・秋田・蛭間、タイ出身のティン、ロシアのマリアといった面々がクローズアップされている。
現実の宇宙飛行は欧米先進国の白人が中心でありアジア人の枠は少ないが、その辺りは日本のコミックなのでよしとしよう。

現実の宇宙飛行ミッションとの違いは他にもある。
メンバーは正規の宇宙飛行士ではなく、皆素性も知れない貧乏人だという点。

乗組員は環境の整わない火星環境下で活動するため、肉体を強化する「バグズ手術」を受けている。
この手術の成功生存率は30%であり、残りの7割は死亡するという人体実験まがいの代物だ。

彼らをこの危険な賭けに向かわせたもの、それは金。
それぞれに事情は異なれど、メンバーたちは一様に経済的な理由を抱えている。
手術を受け、このミッションを完遂することが彼らが大金を手に入れる唯一の方法なのだ。
そうして彼らは己の命をチップに替えた。

 

火星着陸、そこで見たもの


地球を出発して39日、火星の地表へと無事に着陸したバグズ2号。
辺りへ殺虫剤を散布して下船。サンプルの回収に入る。

我々が想像する赤茶けた星とは違い、一面苔に覆われ緑色をした火星の大地がクルーを出迎えるがゴキブリの死骸は見当たらない。
不審に思いながら岩陰を覗いたティンが目にした光景は・・・。

 

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見たことも聞いたこともない、黒光りする肉体を持つ原人のような生物の姿だった。

 

一方、別の方面へ向かった小町小吉と秋田奈々緒。
彼らもまた同様に謎の原人と接触していた。

脳天気に会話を試みる小町。
次の瞬間、原人は小町の背中に隠れていた秋田の首をへし折っていた。
その動きは小町の目には映っていない。それほどの速度だ。

岩陰から原人の様子をうかがうティンは、
彼らの姿に尾葉・触覚といった「ある生物」の特徴を発見する。
それは自分たちが駆除しにきたゴキブリの形質だ。
謎の原人の正体は、火星で進化したゴキブリの姿だったのだ・・・!

 

秋田の体を抱きかかえ、目の前のゴキブリを睨め上げる小町。
今の彼を占めるのは、純然たる殺意であった。
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週刊ヤングジャンプで連載中の「テラフォーマーズ」に関する個人的な感想ブログです。

ネタバレには配慮しませんので、ストーリーを楽しみたい方は閲覧にご注意下さい。

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